なぜExcelの仕様書・設計書が嫌いなのか その4

 たぶん最後。今回は更新性について。
 ドキュメントにおいてサイアクなのは、更新されないことである。まず、一発OKはありえないからだ。かりに一発OKだったとしても、今後の発展があるかもしれない。なければないで悲しいことだ。

 更新性というのは実は先に述べた可読性、検索性の集大成とも言える性質である。読みやすくなければ更新しにくいし、検索性が悪ければどこを直していいのかわからないからである。また、更新性を向上させる文書記述手法に論理構造化が役に立つ。つまり、Wordでいうところの「スタイル」や「アウトライン」の活用である。見た目と文言の姿を別レイヤとするのである。こうすることによって、文書の見た目の調整というオーバーヘッドを軽減することができる。

 ドキュメントが整備されない理由の多くは、更新することに人的コストがかかるからだと思う。つまり、初版でレイアウトを固定的に作ってしまい、それに手を入れることは大幅なレイアウト変更することになってしまうのだ。特にExcel文書でのそのリスクは高い。

 以上がわしがドキュメントに求める理想である。これらを鑑みるとやはり少なくともExcelという選択肢はなくなるのだ。