「帳票」という言葉

 システム屋であれば当たり前のようにつかう「帳票」という言葉だが、実はこの言葉、大辞林クラスの大きな国語辞典でなければ載っていないマイナーな言葉であることはご存知だろうか? なので、和英辞典にもなかなか載っていない。
 では、あなたは「帳票」という言葉の意味を的確に説明できるだろうか? できたとしたら、その意味からして「帳票」という言葉を他のもっとメジャーな言葉に置換可能ではないだろうか?
 さらにいうなれば、非システム開発系のエンドユーザに対して「帳票」という言葉は通じているのだろうか?

 大辞林によれば「帳票」とは「帳簿」と「伝票」の総称という意味らしいが、果たしてシステム屋はそういう意味で使っているのだろうか? 電子帳簿、電子伝票に対して「帳票」というだろうか? 多くの場合、プリントアウトされないものをシステム屋は「帳票」とは言わない。では「印刷物」ではダメなのだろうか?

 「帳票」という言葉は、システム屋業界では古くからあった言葉である。しかし、改めて調べてみるとこのように非常にあいまいなものである。とすれば、エンドユーザにとって、はるか以前からシステム屋というのは意味不明な言葉を使う煙たい存在と思われていたということにならないだろうか。

 システム屋諸氏よ。もっとわかりやすい言葉を使おうではないか。